こんにちは、初めまして2019年度入学の大澤です。今回は、材料を加工してロボットに使う部品を作る工作機械の内の旋盤とフライス盤の紹介をしたいと思います。
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旋盤とは
元となる材料を回転させ、そこにバイトという刃物を当てて削り取っていく工作機械です。バイトが付いた刃物台を平面上で動かします。
マキニスタでは、基本的にものつくりセンターという大学の施設を使用しています。マキニスタの所属しているロボット技術研究会では、卓上旋盤という机の上で行える旋盤を所有しているのですが、あまり大きな部品を作れなく精度がこちらに比べて出にくいので、あまり使用していません。
また、このものつくりセンターという場所は、免許さえとれば学内の人でしたら誰でも使用することが出来ます。みんな、使おうね!!
旋盤でつくるもの
旋盤では円筒形の様々なものが作れるのですが、マキニスタで主に作るのは軸部品です。以下のようなやつです。(穴は旋盤であけたものではない)
例外を除き、ロボコンにおいてロボットは車輪で走行します。その車輪を回す際にモーターから伝える軸部品が必要になりますよね。そのような際に旋盤で加工するわけです。
加工法
正直知識だけだと危険であり、細かいあれこれはやってみて実際に説明を受けないとわからないので、ざっくりとした当団体で行っている加工の手順だけ説明します。ネット上には、もっと詳しくわかりやすく説明しているサイトがたくさんあるので、気になる方はそちらを参考にしてみるとよいと思います。
- まず、完成品の長さから少しだけ長く元となる棒(円柱)を切ってきます。
- それを以下の位置にセットし、刃物台にバイトもセットします。
- いよいよ加工を始める訳ですが、まずは回転している材料にバイトを少しだけ当てて、ゼロ点をセットします。ここからデジタルメータで測ることで、切削量がわかるわけですね。また、同時に材料の端の面を平面になるように軽く削ります。
- 荒削り用のバイトを用いて、軸と平行方向(下図の方向)に大きく削っていきます。最終的に仕上げ削りするので、ここでは精度をあまり気にしません。また、大きく削ることで時短になります。
- ある程度まで完成品の太さに近づいたら、仕上げ用のバイトに変えて徐々に削る量を減らしながら目標の太さまで削っていきます。自分の感覚では、精度の誤差に関して厳しい部分は大体部品の嵌め合いなので、実物をもってきて確かめ、いい感じになるまで僕はやっています。
- 必要があれば軸方向に穴をあけます。
- 完成!!
上の過程で削る度に太さを測るのですが、そこではマイクロメータを用います。また、材料や切込み量によって、適切な回転数、適切な速度ですべて行いましょう。
フライス盤とは
こちらは旋盤とは逆に、刃物を回してそれに対し材料を動かして削る工作機械です。
平面上でしか動かせなかった旋盤と違いこちらは高さ方向にも動かせるので、エンドミルという刃物を使用して平面を出したり、ドリルでとてもよい精度で穴をあけることが出来ます。
旋盤と同様におもにものつくりセンターのものを使用します。こちらも同様に学内の人なら免許さえとれば使えます。
フライス盤で作るもの
マキニスタで主にフライス盤を使うときは、必要な平面出しと溝堀り、そして角管を削るときです。本当はもっと様々なものを作っているのですが、よくやるのがこのあたりの加工です。
加工法
フライスは、加工するものによっていろいろ変わるので共通するゼロ点出しと平面に削ることを説明します。旋盤と同様、他者から教わらないと危険なので、あくまでも簡単にです。詳しいことは例によって、調べればたくさん出てきます。
- まず、用意した材料を、敷板、ハンマー、Vブロックなどを使ってしっかりとバイスに固定します。ここの固定が甘いとずれたりして悲惨なことになります。
- 次に、ゼロ点出しをします。
- 次に平面に削る場合、エンドミルを取り付け回転させた状態でエンドミルをz方向に降ろします。少し切子が見えたら、そこがz方向のゼロです。
- 最後に、エンドミルの径の10分の1を一回の最大量として、台を少し上にずらした後、x方向y方向に動かして削るという過程を繰り返し、目標の値まで削って平面を出しましょう。
- 完成!!
当然ですが、旋盤と同じく適切な速度、回転量で使用しましょう。
最後に
加工機械はとても危険です。下手をすると生涯のけがを残してしまう、もしくは死亡してしまうかもしれません。なので、分からないことがあったら詳しい方に聞き、安全を守って使いましょう。また、使用後は他者も使うので、しっかりと掃除をしてきれいな状態にしましょう。
安全とマナーを守って楽しく加工!!
読みにくい部分もあったと思いますが、御精読ありがとうございました。