こんにちは。2019年度入学、機械班の梅田です。
今回の記事では「CNCフライス」という工作機械について紹介します。
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CNCフライスってどんなもの?
↓こんなやつです。
部室にあるCNCフライスは簡単に言うとアルミ板を切り抜く機械です。さながら糸ノコギリの究極進化形態といったところでしょうか。普通の工作機械は人間が直接操作しますが、CNCフライスはコンピュータが自動で操作してくれます。つまり、コンピュータに任せておくだけで部品が完成します。とっても楽です。
CNCフライスでできること
アルミ板を切り抜くことで、様々な部品を作ることができます。
↓のような簡単なものから、
曲げ加工を併用することで↓のような構造まで作ることができます。この部分は、板材に三角形の穴をたくさん空けることで軽量化を図っています(肉抜きといいます)が、このような加工もCNCフライスなら容易にできます。かっこいいですね。
CNCフライスのつかいかた
前述したように、CNCフライスではアルミの板材を切削加工することができます。その具体的な手順をざっくり紹介します。
- 3DCADで作りたい部品をモデリングする。
- 切り出したい形(平面)を専用のファイル形式(.dxf)で出力する。
- 2DCADで部品の形を実際に切る形に並べ、新しいファイルにする。なるべく無駄の出ないよう隙間なく並べると地球にやさしい。隙間なく並べるためのソフトも存在する。
- 部室のPCに入っているCNCフライスを動かすソフトに3で作ったファイルを読み込ませ、CNCフライスのパラメータを調整し、回す。
これで部品は完成します。普通の工作機械を使うより圧倒的に負担が少ないです。
CNCフライスのしくみ
続いて、CNCフライスがどのようにして材料を切削するのか、少し踏み込んで説明します。
CNCフライスは、「エンドミル」という、円柱の側面に刃がついた切削工具を高速回転させることで材料を切削します。また、CNCフライスには、エンドミルを回転させるモーター(下図1)とは別に、エンドミルを移動させるモーター(下図2,3,4)がついており、これらがコンピュータにより制御されます。
エンドミルが、モーター2,3によって水平面上を動きます。この2つのモーターがうまく同期することで、水平面上に様々な軌道を描くことができます。また、モーター4により、エンドミルが鉛直方向に少しずつ(軌道を一周するごとに0.05mmくらい)下がっていくことで、材料の表面に溝をつくり、少しずつその溝を深くしていきます。この溝の深さが板厚と等しくなると、板が切り抜けるというわけです。
おわりに
CNCフライスは使いこなせればとても便利な工作機械です。このような機械が自由に使えるというのは、やはりロ技研ならではのことでしょう。
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