こんにちは。24年度入学の24-capaです。
9/13(金)に川崎市青少年の家にて関東夏ロボコン2024(以下、夏ロボ)が行われ、東工大からはチームMaquinistaとして1年生と2年生の混合チームで参加しました。
大会について
今回の夏ロボの課題は「関東スペシャルランチショー」であり、ロボットによる料理の作成と配膳、飾りつけをイメージしたルールとなっています。
以下は大まかな試合進行の説明です。
料理は、フライパン(取っ手付きのざる)と食材(白の発泡スチロール)を取得しフライパンに乗せ、コンロゾーンで加熱することで得られます。3分の制限時間の間に、料理を3つ作りショータイムを達成した時点で勝利(Vゴール)となります。
料理を作成してから配膳するまでにはスラロームがあり、Vゴールを達成するには素早く通り抜ける必要があります。
関東夏ロボコンルールブックより引用(https://kantouharurobo.com/natu/2024/KantouNatuRobocon_2024_Rule_2.00.pdf)
機体紹介
今回の夏ロボではシェフロボットと配膳ロボットの2台を制作することも可能でしたが、Maquinistaはその2台の機能を兼ね備えたmaq-crewという機体を作成しました。
以下では一部の特徴的な機構について解説します。
・食材回収機構
食材を3つ同時にとることで最速を目指しました。食材を持ち上げる、1個ずつ開放するといった動作に対して使用するアクチュエータの数が少なくなるよう、定荷重ばねを用いた設計をしました。
・フライパンハンド
フライパンを上にあげながら取り込むために、並行リンクを採用しました。また、1つのエアシリンダで両側のハンドが動くよう、ラックアンドピニオンを採用しました。これにより、フライパンの素早い回収、設置が可能となります。
・自己位置推定
幅が狭く、移動距離の長いスラロームを突破する必要があったため、LiDARと計測輪を用いた自己位置推定を行いました。これにより、スラロームを自動走行で高速かつ安定して突破することが可能になります。
・デバッグ
maq-crewは自動運転と手動運転を切り替えるため、走行中に現在の状態を確認する必要があります。そこで、ショータイム用とは別にテープLEDを設置し離れていても機体の状態を視認できるようにしました。また、操作切り替え時には音を鳴らすことで操作者の負担を軽減しています。
対戦結果とその様子
対戦相手は以下の表の通りです。今回の夏ロボではMaquinistaを含め計6チームが参加しました。
予選は総当たり戦であり、上位4チームが決勝トーナメントに進みます。
関東春ロボコン公式Xより引用(https://x.com/kantouharurobo/status/1834403170015211767)
予選1試合目 vs 横国パワー丼
45-0で勝利
最初のフライパンを取ることに失敗してしまいましたが、リトライで修正することに成功。二つ目のフライパンを置く際に引っかかり強制リトライとなってしまいましたが、手動に切り替えて点数を取りに行く作戦に変更し、勝利することができました。
予選2試合目 vs 超安全グループ
Maquinista、ショータイム達成で勝利
この試合では特に問題は発生せず、理想の動きができました。2分16秒でのショータイムを達成しました。
予選3試合目 vs ヨココックカワサキ
Maquinista、ショータイム達成で勝利
途中、フライパンハンドがコンロゾーンの端にあたって動かなくなってしまいましたが、素早く手動に切り替える判断をしたことで制限時間ギリギリにはなりましたがショータイムを達成できました。
予選4試合目 vs キカイな料理店
5-5で審査員判定により勝利
食材をうまくつかめない不具合によって追い込まれ、試合終了時に同点となってしまいました。審査員判定の結果、勝利することができました。
予選5試合目 vs はんばーグー
はんばーグーによるショータイム達成で敗北
両者一度はリトライをかけたものの最終的にはリカバリーの速さで負け、相手にショータイムを許してしまいました。
決勝1試合目 vs 超安全グループ
超安全グループによるショータイム達成で敗北
料理入りフライパンを取得し損ねたためリトライをかけ、その後も追い上げ2つ目の料理まで配膳しましたが相手のショータイムが早く、3つ目を配膳することはできませんでした。
最終結果と総括
夏ロボでは決勝戦に進むことはできずベスト4という結果になりましたが、自動運転に関して高い評価をいただき技術賞と特別賞の両方をとることができました。
今回、理想的な動作ができた試合もあったものの、そうでない試合が多かったため、ロボットの動作の安定性やリカバリーの方法について改めて考え直す必要があるように思います。また、本来の予定では配膳ロボットも作成予定でしたが、スケジュール管理がうまくいかずシェフロボのみとなってしまったため、スケジュール管理や連絡などの面もNHKロボコンへ向けて改善していきたいと考えます。
謝辞
特別賞として夏ロボの協賛企業であるクラウドエース株式会社様より「徹底攻略 Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer教科書」をいただきました。また、参加賞として協賛企業各社様からSTMシリーズのマイコンやトートバッグ等をいただきました。協賛企業の方々、ありがとうございます。
この大会という場を提供していただいた関東春ロボコン運営委員会の皆様、交流してくださった他大学の皆様にも感謝を申し上げます。
Maquinistaに普段から協力いただいているスポンサーの皆さま、東工大関係者の皆様にもお世話になっております。ありがとうございます。
次は関東春ロボコンに向けて精進していきますので、今後とも応援よろしくお願いいたします。